タイヤメーカーU社研究開発部

最先端のタイヤセンサー開発を実現小型・軽量・薄型・高耐熱を一気に解決するには、電池に課題が…

背景

昨今の自動車用タイヤでは、TPMS(タイヤ空気圧センサー)を装着してタイヤの空気圧を測定している。自動運転化の進展に伴い、今後はタイヤに関する情報(空気圧、摩耗状態など)に加え、路面と唯一接しているタイヤから路面情報(温度、ドライ/ウエット、凍結状態など)を運転操作にフィードバックさせる機能を持つセンサーを開発する必要がある。U社の研究開発部でも最先端のタイヤセンサーの開発に追われていた。

課題

タイヤセンサー機能の開発競争が世界中で激化!

研究開発部では自社のTPMS技術をベースに、小型で軽い次世代タイヤセンサーの開発を進めていました。しかし小型・軽量化にあたっては、電池の装着方法に課題がありました。電池の搭載には専用ホルダーが必要となるため、実装面積の削減や軽量化には限界があったのです。さらに、この課題の解決策を検討しようとした矢先、競合メーカーがU社とほぼ同等の機能を搭載したセンサーの開発を計画中という情報が入ります。それを受け、経営層からは「競合よりも10%の小型・軽量化」との指示が下り、開発の難易度はさらに増すことになりました。

機能を増やすと電池容量が足りない…

開発を進めるにつれて、新たな問題も見えてきました。タイヤセンサーに複数の機能を盛り込んだ結果、一次電池だけでは容量と電流が不足すると分かったのです。次世代センサーでは無線通信も前提としているため二次電池の適用も検討しましたが、小型・軽量で耐熱性の高い実装可能な電池をなかなか見つけられず、解決には至りませんでした。さらに、二次電池を充電するための発電・給電については電池メーカーでのワンストップ対応が難しく、多方面に問い合わせる必要があり、開発メンバーは疲弊するばかりでした。

課題のポイント

  • タイヤセンサーの小型・軽量化には電池の装着方法が課題

  • センサーに複数の機能を搭載するには、一次電池だけでは容量と電流が不足。小型・軽量で耐熱性の高い実装可能な二次電池も見つからない

  • 二次電池の充電に必要な発電・給電は電池メーカーによるワンストップ対応が難しい

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