産業用センサーデバイスメーカーR社開発部

建設作業者の体調を、ウエアラブル小型センサーで管理IoTを活用して過酷な建設現場の安全を確保したいが、そこには現場ならではの課題が…

解決

作業者の負担を最小限に。管理しやすいウエアラブル小型センサーユニットが完成した!

解決のポイント

  • EnerCeraなら繰り返し給電して利用できることから、電池交換のコストや廃棄物の削減につながる

  • EnerCeraはさまざまな電源ソリューションとの組み合わせが可能。色素増感型太陽電池との組み合わせや、Qiをはじめとするワイヤレス充電のリファレンスデザインなどが選択できる

  • EnerCeraなら数10mWの大電流を必要とする無線通信を行うことができるため、リアルタイムでのデータ収集やBLEやWiFiを使った位置情報検知を実現

理想的なウエアラブルセンサーにつながる超小型リチウムイオン二次電池

情報収集を進めていた開発メンバーは、日本ガイシの「EnerCera」という超小型リチウムイオン二次電池と環境発電を組み合わせた種々の活用事例を見つけました。「厚さ0.45mm。この電池なら問題を解決できるだけでなく、装着感を軽減したウエアラブルセンサーを実現できそうだ」と期待を感じ、すぐに日本ガイシに連絡。サンプル提供を受けることにしました。

電池交換や大容量の課題が一気に解決へ!

EnerCeraのサンプルを手にした開発部は、日本ガイシからアドバイスをもらいながら、ウエアラブルセンサーの試作と評価を実施。結果は上々で、繰り返し電池を利用できるため、使用済み電池の交換コストや廃棄物の削減が可能となりました。さらに色素増感型太陽電池との組み合わせや、Qiをはじめとするワイヤレス充電のリファレンスデザインなどの作業環境に応じて、さまざまな電源ソリューションの選択ができるようになりました。また、並行して進めていた長時間駆動が可能なモデルの開発では、複数のEnerCeraを並列接続して使う上で課題となる接合方法など、日本ガイシから丁寧な技術サポートを受けました。

EnerCeraを使えば、環境発電や空間伝送型ワイヤレス電力伝送などのµWレベルの微弱な電力であってもそれを貯めて、数10mWの大電流を間欠的に流すことができるため、BLEやWiFiなどの無線通信が可能です。試作品を使った現場テストでは無線通信も問題なく実施でき、従来は困難だったリアルタイムでのデータ収集も実現しました。これらの結果から、ヘルメットの曲面に合わせたフレキシブルなデバイスと、装着感のない超軽量でスマートな作業着が開発できるめどが立ちました。加えて、新機能として開発中であるBLEやWiFiを使った位置情報サービス機能についても提供できる見込みです。

また、EnerCera Coinは射出成形による樹脂への埋め込みにも対応しているため、完全防水が必要な用途でも適用可能なことが判明。センサーユニットのバリエーションがさらに広がることから、開発部は完全防水のウエアラブルセンサー開発にも着手しています。

EnerCeraとは

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